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ついに選挙が終わりましたね。アリゾナの人々の反応は「まあ、予想通りなんちゃう?」っていう感じです。南部と中部地域、テキサス、ニューメキシコとアリゾナは伝統的に共和党の州なので。特にアリゾナは、圧倒的人気のある共和党のマケイン議員がいますしね。彼は前回の大統領選で立候補し、土壇場で候補を辞退し同じ共和党であるブッシュの応援にまわりました。ベトナム戦争で捕虜になった経験があり、今でも顔にキズがあります。共和党の中でも彼は中立派で、企業献金の廃止を提案したり(もちろん国会で圧倒的大多数で却下された)、ブッシュよりも民主寄りの考えなので人気があります。

今回の選挙で驚いた事
1)日本のように住民登録制度がないため、投票したい人は事前に登録しなければいけないのですが、選挙当日は会場で2、3時間待ちは当たり前のように大行列ができていたこと。登録者数が今回大幅に増えたと事前にわかっているのなら、なぜそんな手際の悪い事を許されるのか理解できない。市民は長時間待つのはいつものことだと、あまりこの事に疑問はない様で、日本では有り得ないなァと。それと、大学生も多くが選挙に行っていたこと。アリゾナでは投票すると"I Voted Today"と書いた小さなステッカーが貰えます。そのシールや各党を応援するシールなどを服や鞄に張った学生を、キャンパスでたくさん見ました。まあ、今年はうちの大学は討論大会が行われたので、特に学生の関心を集めたのかもしれませんが。

2)州別の結果分析で、殆どの州が6対4の割合でどちらかの党に決定していた中、ニューヨークだけは97%が民主党だったこと。ちなみにアリゾナは6割弱が共和党、4割強が民主でした。

3)海岸エリアに民主党は強いので、内陸部の州でどれだけ票が集まるかが勝敗を決定します。今回、私はフロリダは国境地帯だし民主派と思っていたら、共和党が勝ったこと。移民の多いマイアミだけは民主が多数を占めたみたいですが、今年はハリケーンの被害でのブッシュの対応がすばやく、被害者には免税対策を企てたり、いち早く訪問したりと一部の民主派と無党派層を味方につけたからでしょうか。

4)投票は大統領を選ぶだけなく、州法の賛成反対、州の議員と判事の罷免も一緒に行われますが、それがアリゾナの場合25項目の州法だったこと。すごく決める事が多くて驚きました。

5)結果として全国的に共和党の議員数が大幅に増加したこと。アリゾナは州知事以外ほぼ全員が共和党になってしまいました。

決定直後のテレビで、視聴者が電話で意見を言う番組を見たのですが、その中で無党派の女性が「私は今回ブッシュに入れたけど、プロチョイスです。今回ブッシュに投票したのは、彼のテロ対策の対応に共感したからであって、共和党に入れたからといってすべての人がプロチョイスだと思わないで欲しいと言いたい」と発言していました。
プロチョイスとは中絶する権利の擁護者のことで、反対はプロライフと呼ばれます。共和党は一般的にはプロライフ、民主党はプロチョイスとされています。共和党でもブッシュは特にプロライフで有名で、テキサス州知事時代には中絶を禁止・抑制する関連の9つの州法に調印しています。私が2000年の選挙の時に、ブッシュを危険視していたのはこれが主な理由でした。私の卒業論文は「アメリカの中絶論争について」なので、それでブッシュについては彼が大統領になる以前から知っていました。この面でプロチョイス派である民主党は、特に女性に強いのだと思います。

今回の選挙の焦点は、同性愛者同士の結婚の合法性などモラル面での判断が焦点になったのではといわれています。つまりは、上記の女性のように各党が揚げている政策のすべての事に同意するというよりは、「今何が一番大事でそれはどちらの党派に属するのか」それが投票の鍵となるのでしょうか。
今回は全国的に同性愛者の結婚には否定的であったことと、あとは民主党支持者の人で今回のイラク戦争に反対している人でも、すでに始まってしまっている戦争に対して、前回のイラク戦争のように中途半端に引き上げてしまうのではなく、最後まで責任持って終わらせて欲しいと思って投票した人も多い印象でした。なぜなら身近にたくさんの兵士がいる国ですから・・・今、戦地で頑張っている最中の友人や家族・親戚を危険にさらすわけにはいかないのが本音ではないでしょうか。それに加えて、ブッシュには元NY市長のジュリアーニが応援についていた事、民主党はクリントンが病気のためキャンペーンに参加したのが最後の数週間のみだったことなど、4年越しのキャンペーンの違いが大きく影響した気もします。

卒論で研究した時にも、日本での都会的なイメージと違って、アメリカの大半の人は保守的だと知っていたにも関わらず、こうやって実際に保守的傾向を目にするとちょっと怖くなったりします。元々、宗教弾圧から逃れて来た人達が自分たちの宗教を守るために作った国なので、ものすごくキリスト宗教色が強いです。同性愛者についても宗教的理由から嫌悪感を示す人が多いのも事実。そして今のアメリカは、あふれる違法移民や同性愛結婚、テロ再発の恐怖、不景気・雇用の不安(労働の需要が海外に流れている事)など表立って言わないだけで、蓋を開けると誰しもが「守り」に入っている時期のような気がします。
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